FA市場最大の目玉
翌28日のブルージェイズ戦に「2番・指名打者」でスタメン出場し、初回に3打席連続となる39号右越えソロを放ったが、本塁打が出れば3点差を逆転する9回1死満塁の好機で代打を送られた。交代理由は「両脚のけいれん」だった。
米国に駐在するスポーツ紙記者はこう指摘する。
「世界一に輝いた3月のWBCから投打の二刀流でプレーし続ける身体には、想像を絶する負荷がかかっています。コンディション調整に細心の注意を払っても、蓄積疲労はなかなか抜けない。本塁打王争いで独走し、投手でも最多勝を狙える位置につけていますが、このチームでプレーオフに出場したいという思いが、満身創痍の身体を突き動かしているように感じます」
今オフのFA市場は、大谷の動向が最大の目玉だ。エンゼルスと同じロサンゼルスに拠点を置くドジャースのほか、東海岸のヤンキース、メッツが移籍先の有力候補になる可能性が高い。特にドジャースは指名打者専門のJ.D.マルティネスと単年契約を結んでいるため、大谷を受け入れる体制が万全と言われている。温暖な西海岸の気候で、コンディション調整に神経を使わないことも大きなメリットだ。
エンゼルス残留か、他球団に移籍か──。ビジターに行くと、他球団のファンから「ウチに来て!」とラブコールを送られる。去就に関する米国メディアの報道もヒートアップしているが、今はエンゼルスのプレーオフ進出に集中して戦い抜く。(ライター・今川秀悟)
※AERA 2023年8月14-21日合併号