仙台育英の主将・山田脩也(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 昨夏、東北勢として初優勝を飾った仙台育英(宮城)が、開幕日(8月6日)の第3試合に登場。浦和学院(埼玉)と対戦する。

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 仙台育英は登録20人のうち昨夏の優勝メンバーは8人。うち5人は決勝の舞台にも立っている。豊富な経験も武器に夏連覇を目指す。

 盤石なのが投手陣だ。昨夏の甲子園では全試合を継投。2回戦の鳥取商戦では5人の投手を継投して零封し話題になった。

 常に相手打者の目先を変え、狙い球を絞らせない。今年も同様の戦い方が見られそうだ。

仙台育英が誇る快速球トリオの一人・湯田統真

 今夏の投手陣の中心は3年生の快速球トリオ。昨夏、優勝投手となった高橋煌稀、今夏の宮城大会で15回を投げ20奪三振の湯田統真、左腕の仁田陽翔はいずれも150㌔近い直球を持つ。加えて、田中優飛、2年生左腕・武藤陽世も台頭した。左右のバランスもよく、相変わらず豊富な投手陣をそろえる。

 チームを束ねる主将・山田脩也にも注目だ。昨夏の甲子園では全試合フル出場。遊撃手として軽快な身のこなしで安定した守備を見せる要の一人だ。宮城大会ではチームトップの打率6割超えを記録し打線を引っ張る一方、3失策と自慢の守備では乱れた。

 チームは危なげなく、圧倒的な実力で全国への切符を手にしたが、甲子園では一つのミスが流れを左右し、勝敗に直結する。攻守の中心として、山田の出来も初戦突破、そして連覇のカギを握る。

 対する浦和学院も負けてはいない。埼玉大会では計6投手が登板。全7試合で5失点と、安定した試合運びを見せた。エースナンバ―を背負う鈴木夕稀、渡辺聡之介、細沢貫道は2桁イニングを投げながら失点はわずかに1だ。

 打線も粒ぞろい。小林聖周は埼玉大会での打率が5割に迫る勢いで、放った13安打のうち5本が長打と、パンチ力がある恐怖の1番打者だ。中軸を打つ喜屋武夢咲は10打点と勝負強い。2年生の三井雄心は7打数6安打と驚異的なペースで安打を量産した。

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互いに一時も隙を見せられない緊迫の戦いか