巨人・井上温大
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 巨人には有望な若手投手が多く、投手王国化の期待が大きいが今シーズンのパフォーマンスを見る限り、そのプランは頓挫してしまうような雰囲気も漂う。

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 昨季は山崎伊織、堀田賢慎、赤星優志、平内龍太、井上温大など8人がプロ初勝利を挙げた。今季はさらなる飛躍が期待されたが、順調な成長を見せているのは先発ローテーションの一角に定着した山崎ぐらい。投手王国の建設へ向け黄色信号がともっている。

「この先、順調に行ってくれれば近い将来、投手王国ができるんじゃないかなと」(山口鉄也・投手コーチ、1月14日ニッポン放送『ラジオペナントレースNEXT』)

 現場で投手陣を指導する山口コーチの言葉には自信が溢れていた。また昨年の秋季キャンプ中には原辰徳監督も「2年後くらいには投手王国ができる」(スポーツ報知YouTubeチャンネル『報知プロ野球チャンネル』)とコメント。期待して迎えた今季だったが昨年プロ初白星を挙げた投手たちの苦戦が目立っている。

 山口コーチは「まだみんな若いですし、すごい荒削りの部分もある」と語るなど、各投手が一人前になるまでには時間がかかる可能性にも言及していたが、現状その通りになっている。昨年Bクラスの4位となったチームの立て直しのためにも彼らの奮起は必要不可欠だが……。

「(巨人は)今季こそリーグ優勝、日本一と意気込んで臨んでいる。投手力強化は必須で、昨年プロ初勝利を挙げた若手投手たちへの期待は大きかった。しかし蓋を開けてみれば山崎以外は成長がほとんど見られない。投手陣全体でも戸郷翔征と外国人投手頼りになっている」(巨人担当記者)

 先発投手では、戸郷と新外国人のグリフィン、メンデスなどが奮起しているが、エース菅野智之は右ひじの張りで出遅れるなど、近年は怪我での離脱も多く計算できない部分もある。期待されていた若手投手が1人でも多く戦力となっていれば状況も大きく変わるのだが、彼らの伸び悩みがチーム苦戦の象徴にもなってしまっている。

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順調に成長しているのは山崎だけ?