日本国内で、豪雨による被害が相次いでいる。ここ数年、毎年のように起こる豪雨は、専門家によると、長期的な地球温暖化の影響と考えられるという。AERA 2023年8月7日から。
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大雨による被害が相次いでいる。6月初旬に和歌山県や茨城県などが被災したのを皮切りに、下旬から7月にかけても中国や九州、北陸、東北など各地で水害が発生した。6月、7月の豪雨で少なくとも38都府県に人的被害または家屋被害があり、災害救助法が適用された自治体は12県44市町村にのぼる。
台風シーズンも警戒
災害支援団体間の調整やボランティアのコーディネートを得意とする災害NGO結代表の前原土武(とむ)さんは、6月初旬から和歌山県海南市で活動し、7月10日に福岡・大分に大雨特別警報が出ると当日に九州入り。今は福岡県久留米市で支援活動を行っている。今年は異常気象を懸念する報道も多く、春から水害に警戒してきたという。
「6月に和歌山に入った際は、すぐに次が来ると考えて、なるべく早く和歌山の支援に目途をつけられるよう動いていました。台風シーズンにもまた何かあるだろうと警戒しています。九州の支援は何とか8月中には地元団体に引き継ぎたい。ただ、九州の災害直後に秋田でも大きな被害が出てしまい支援団体が分散しています。プランの見直しをしているところです」
いま活動する久留米市は、2018年以降毎年水害が発生している。今回はこれまでにない被害が出ているという。
「これまで久留米で多かった内水氾濫に加え、土砂崩れによる泥の被害も多く出ています。被害の全容はまだ明らかになっていませんが、私の見立てでは久留米市だけで床上浸水が約1500戸。重機が必要な案件も多く、地元も混乱しています」
日本海側北部でも
風水害といえば、かつては秋の台風が典型だった。しかしここ数年、7月の水害が相次いでいる。17年九州北部豪雨、18年西日本豪雨、20年九州豪雨などはいずれも7月に発生した。京都大学防災研究所所長の中北英一教授(水文気象災害)はこう解説する。