昔と比べて精度が高くなった自動翻訳ツール。パソコンやスマホで簡単に使えるので、使わない手はない。では、どのようなシーンで活用できるのか、注意するべきことは何か、識者に聞いた。AERA 2023年7月31日号から。
【画像】4つの自動翻訳ツールで英語に翻訳してみた結果はこちら(全5枚)
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英語教育事業を行う「オフィス・ビー・アイ」代表の大島さくら子さんは自動翻訳ツールには三つの活用方法があると話す。
「まず、学習ツールとしての活用です。いずれの自動翻訳も多言語対応なので、英語を話したり書いたりできるようになりたいと思った時、英文を添削してもらったり、よりよい表現を教えてもらったり、自分だけの“英語の先生”として使うことができます」
二つ目が「ビジネスの効率化」。日本語→英語、英語→日本語に翻訳する際、まず「下訳(したやく)」と呼ぶ大まかな翻訳をするが、自動翻訳の力を借りることにより、ゼロから書くのに比べ時間を大幅に短縮できる。
三つ目が、英語に苦手意識を持っている人が海外旅行中に道を尋ねたり、日本にいる外国人と会話をしたりなど、「困った時のサポート」として使うことだ。
「英語が苦手な人が自動翻訳で互いの深い気持ちまで話し合うのは無理ですが、簡単なやりとりであれば問題ないでしょう」(同)
では、ビジネスメールにも活用できるだろうか。グローバル化の今、日本語のメールを英語に翻訳する機会が少なくないという人も多い。そこで編集部では、日本語でビジネスメールをつくり、「DeepL(ディープエル)」と「Google翻訳」、対話型生成AIの「ChatGPT」、ChatGPTの技術を応用した検索エンジン「Bing(ビング)」の四つの自動翻訳ツールで英語に翻訳してみた。
まず、原文となる日本語のメールを見た大島さんは、開口一番、「日本語のメールと英語のメールでは書き方やマナーも異なるため、注意が必要です」と指摘した。