いいじま・えいじ/1979年9月16日生まれ。取材当時43歳。2000年、20歳で四段。10年、升田幸三賞受賞。21年、八段。愛称は「凄八先生」。著書に『飯島流引き角戦法』『横歩取り新時代』など(2022年11月撮影/戸嶋日菜乃)
いいじま・えいじ/1979年9月16日生まれ。取材当時43歳。2000年、20歳で四段。10年、升田幸三賞受賞。21年、八段。愛称は「凄八先生」。著書に『飯島流引き角戦法』『横歩取り新時代』など(2022年11月撮影/戸嶋日菜乃)
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 6月に史上最年少で名人位を獲得した将棋藤井聡太七冠は、先日も棋聖戦を4連覇し、前人未到の八冠にまた一歩近づきました。AERAに連載した棋士たちへのインタビューをまとめた『棋承転結 24の物語 棋士たちはいま』(松本博文著、朝日新聞出版)では、渡辺明九段をはじめ多くの棋士が、藤井七冠との対局の印象を語っていて、小学生だった頃やルーキー時代からタイトルを獲得していった現在まで、藤井七冠の軌跡が感じられます。2023年1月30日号に掲載された飯島栄治八段のインタビューは、36歳で13歳の藤井七冠と対戦した時のショックを語っています。(本文中の年齢・肩書はAERA掲載当時のままです)

【写真】藤井聡太新名人が誕生した瞬間がこちら

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 飯島栄治の現在の趣味は、銘品の駒を集めることだ。

「駒はもう『なんでも鑑定団』に出せるぐらい、いっぱいあります。書体は錦旗、水無瀬、菱湖から、珍しい鵞堂などまで、ほとんどの書体をコレクションしています。タイトル戦で使われるようないい駒は、見ればだいたいどういうものか、わかるようになりました。私はやっぱり古風な棋士なのかもしれませんね(笑)。いまは木の駒を持ってない若手もいるかもしれません」

 飯島の所蔵する銘駒は自宅での研究会で使われている。

 十数年前、飯島は自宅を新築する際、立派な和室を作った。以来、そこに棋士や奨励会員たちを招き続けてきた。

「研究会の記録はすべてノートにつけています。対等な立場で先手、後手、1回ずつやって不公平をなくすようにしています。私はやっぱり一日中コンピューター将棋ソフトをいじっているより、研究会で人と指す方が好きなんです」

 飯島の手元に残されている十数冊のノートには、錚々たる棋士たちが出席してきた詳細な記録が残されている。

「いまの関東の若手棋士だと、来てない人の方が少ないかもしれません。増田さん(康宏現六段、25)は奨励会1級の頃から来てくれていました。増田さんの師匠の森下卓先生(九段、56)から『この子は才能があるから、研究会に入れてくれないか』と言われて、指してみたら本当に強かった。他には近藤誠也さん(現七段、26)や梶浦さん(宏孝現七段、27)など、当時奨励会だった人たちがいま輝いてる感じです。それは非常にうれしいですね」

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「中学生で棋士になった人たちはみんなすごい」