バッテリーが破裂した携帯扇風機 NITE提供
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 猛暑を乗り切るための暑さ対策グッズとして、近年、携帯扇風機(ハンディファン)が人気を集めている。街中を歩いていても、使用している人をここ数年でよく見かけるようになった。

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 多数の生活雑貨などを取り扱う渋谷ロフトでは、携帯扇風機の売上が伸びているという。ロフト広報室の滝田有貴さんはこう話す。

「暑さに比例して動きがあります。昨年も6月末あたりから気温が高くなってくるにつれ売上が伸びていきました。今年も同じように、暑くなると売上が伸びていますね」

 渋谷ロフトでは場所柄、携帯扇風機を売り出し始めた当初は10~20代の若者が買っていくことが多かった。しかし、ここ最近は購買層にも変化が起きているのを感じるという。

子育てをしている方がベビーカーに設置するために購入されたりするなど、若者に限らず、幅広い年齢層にお買い上げいただいているように思います」

 2023年のロフト全店のハンディファンを含む小型卓上扇風機の売上は、前年比で1.6倍、渋谷ロフトに限ると1.8倍に伸びており、同社のネットストアでは5.8倍に伸びたという。ミストが出るものや電源をつけるとひんやりと冷たくなるプレートがついたもの、静音設計されたものなど、毎年、新商品が出ている。

 滝田さんは「気温が高い日が続き、また、外出をされる方が増えているので、今後も売り上げは伸びていくのでは」と予想する。

 手軽に涼をとることができる携帯扇風機であるが、一方で内蔵されたリチウムイオンバッテリーが原因となった破裂や発火事故も発生している。

 製品事故の分析などを行っている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、19年度に初めて製品の不具合による事故の報告がされて以降、22年度までに45件の事故が報告されている。同法人のウェブサイトでは、首から下げた携帯用扇風機のリチウムイオンバッテリーが、すさまじい音を立てて破裂する実験映像が公開されている。

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