立浪和義監督もホームランテラスの導入について、個人的に希望している旨を昨年のシーズン途中に語ったことがメディアで報じられた。

 本塁打が出やすい球場になることで、野球が劇的に変わることは他球団が証明している。ソフトバンクは本拠地が両翼100メートル、中堅122メートル、左右中間118メートルの広さに加え、高さ5.84メートルのフェンスが本塁打を阻んでいたが、15年に「ホームランテラス」が設置されたことで、本塁からスタンドの距離は最大約6メートル短縮され、フェンスも4.2メートルと低くなった。効果は如実に数字に表れた。チーム本塁打数は、14年の95本から141本へと大幅に増加。14年は李大浩の19本塁打がチーム最多だったが、15年はホームランテラス効果もあり、松田宣浩が35本、柳田悠岐が34本、李大浩が31本をマークした。

 ロッテもグラウンドの外野部分にせり出す形で19年に「ホームランラグーン」を新設。本塁からの距離は最大約4メートル短くなり、外野フェンスの高さも下がったことで、本塁数が急増した。18年は78本塁打とパ・リーグで唯一2ケタだったが、翌19年は158本塁打と倍増。ブライアン・レアードが32本、井上晴哉が24本をマークするなど、7選手が2ケタ本塁打を記録。642得点と前年の534得点から大幅に増えた。

 中日ファンは、ホームランゾーンの増設についてどう感じるだろうか。中日ファンの30代男性は「点が入らない試合が多いので、他球団がうらやましいと感じる時は正直あります。球場が狭くなって本塁打が出やすくなったら得点が入りやすくなるし、チームもガラッと変わる可能性がある。ホームランゾーンを設置するのが厳しいなら、フェンスの高さを変えるだけでも違ってくる」と提案する。

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今のチーム体質では勝てない