状況を考えれば藤浪がアスレチックスからトレードされたのは当然であり、ある意味ではチャンスを掴んだのかもしれない。だが、新天地は同地区に強豪チームも多く、優勝争いをしているチームだけに、登板ごとの重要性がこれまでと全くことなる。また、シーズン通しての成績が良くない藤浪は、米国でプレーを続けるのであれば結果を残し続け、来季以降の居場所を自ら切り開くしかない。

「どんな形であれメジャーに残れているのは大チャンス。結果を出し続ければ、オフに他球団の目に留まる場合もある。また仮に将来のNPB復帰をする場合でも阪神時代とは違う姿を見せないといけない。残りシーズンが藤浪の野球人生にとって大きな分岐点になる」(在米スポーツライター)

 チャンスでもあるが、崖っぷちでもある。阪神時代は精神面の甘さが指摘され続けたが、そんなことを言っている場合ではない。文字通り「死に物狂い」で自分の居場所を見つけないといけない。ここから先の藤浪の踏ん張りに注目したい。大きな差がついた同級生の大谷翔平(エンゼルス)との差を少しでも縮めて欲しいものだ。