巨人・坂本勇人
巨人・坂本勇人
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 右太もも裏肉離れからの復帰を目指す巨人坂本勇人が“決断する日”は来るのか。長年チームにとって絶対的な存在として君臨した男もベテランの域に入り、継続的な試合出場のためには負担減が必須となった。以前から話が出ていた遊撃手から他のポジションへのコンバート案が現実味を帯びている。

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 坂本は6月23日の広島戦(マツダ)、二塁内野安打を放ち一塁へ駆け込んだ際に右太もも裏を負傷。肉離れと診断され完治までに4~6週間かかるとされているが、後半戦の巻き返しのためにも早期の復帰が求められている。

「(巨人は)選手が揃わない中、必死に食らいついている。現状はBクラスの4位だが、上位とのゲーム差を考えれば良い位置だと思う。逆転優勝には経験と実績がある中堅、ベテランの活躍は不可欠。勇人にかかる期待と責任は大きい」(巨人関係者)

 現在34歳の坂本はベテランと呼ばれる年齢となった。かつてのような爆発力はないものの、要所では“さすが”の働きを見せている。今季は春先こそ不調でスタメンを外れることもあったが5月以降は徐々に成績を上げ、6月は打率.338、3本塁打、9打点をマーク。改めて頼れる選手であることを認識したファンは多いだろう。

 昨年はレギュラー獲得以降、最低となる83試合の出場に終わり、今季も序盤から不振が続いていたことで一時は定位置はく奪との憶測も流れたが、しっかりと盛り返してきた。だが、今回ケガをしたことで復帰後に守るポジションについては様々な意見が出ている。

「結果が出ない時期でも原辰徳監督が外さなかったのは、影響力を重要視しているから。今後も同様の役割を期待するなら、負担の大きい遊撃手ではない方が良い。本人は同ポジションにこだわりがあるだろうが、今回のケガを転換期と捉えて欲しい」(巨人OB)

「走ったり、守ったりできないと、なかなか誤魔化せないポジション」と坂本自身も語っている。遊撃へのこだわりで復帰が遅れればチームに迷惑をかける。何より今後の現役生活を縮めることにもなりかねない。「コンバートは最善策」という声は多い。

「体質にもよるが肉離れは習慣化しやすい。瞬発系の動きをした際に発症する可能性が高いので、遊撃や二塁は最もリスクが高い。また近年の野球では守備力が重要視される外野手も同様。一塁か三塁が現実的に思える」(都内スポーツドクター)

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坂本の“生かし方”は?