水野教授は「知識だけでなく、豊かな人間になって法曹界で活躍してほしい」と語る。野嶋教授は理想の弁護士について「公平感を持っていること」と、こう話す。

 「一刀両断に白黒つけるよりも、お互いに歩み寄り、和解に持ち込むという方法もある。弁護士でも検察官の立場を理解し、また被害者やその家族の気持ちを推し量ることで、被告人の真の反省に繋がることもある。このような公平な視点を持てる学生は、弁護士に向いていると思います」

(取材・文/柿崎明子)

法政大学大学院 法務研究科

水野智幸 教授

みずの・ともゆき/1986年東京大学法学部卒。88年~2012年裁判官。14年から現職。専門は刑事法。16年弁護士登録

法政大学大学院 法務研究科

野嶋慎一郎 教授

のじま・しんいちろう/1986年早稲田大学法学部卒。92年弁護士登録。2001年野嶋慎一郎法律事務所開業。17年から現職。専門は民事刑事全般

※AERAムック『大学院・通信制大学2024』より

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