一方のパ・リーグでは、王者オリックスのエースで、今季ここまでリーグトップの8勝(3敗、防御率1.79)を挙げている山本由伸(オリックス)が最有力になるだろう。実力的には間違いなくオールスターの舞台に立つべき投手だ。監督推薦では中嶋聡監督に疲労を考慮されて選出されなかったという報道があったが、その理由をファンがどう“考慮”するか。むしろ“反発”し、他球団のファンも含めて多くの票を集める可能性はある。

 同じく宮城大弥(オリックス)もオールスターに選ばれるべきピッチャーと言えるが、「ファン投票」では、先発投手部門で佐々木朗希(ロッテ)、山本に次ぐ3位となり、選手間投票、監督推薦でも強力なライバルの前に選ばれなかった。それでも実力は申し分なく、今季成績も6勝3敗、防御率2.55と優れた成績を残している。同学年の佐々木との“仲良しコンビ”は広く知られており、「2人が一緒にいるところをもっと見たい」と思うファンから多くの票を集めるはずだ。

 ただ、山本、宮城ともに同じチームのピッチャーであるために「票が割れる」可能性がある。そうなった場合、捕手部門でファン投票2位だった甲斐拓也(ソフトバンク)が“漁夫の利”的に1位になる可能性がある。実力、知名度ともに高く、温和なキャラクターで他球団のファンからも愛されており、何よりファン投票1位の森友哉(オリックス)が故障で辞退となったため、純粋にパ・リーグが「勝つため」にチームを作るならば、甲斐が扇の要に入るべきだろう。

 その他では、高橋光成(西武)や松井裕樹(楽天)、浅村栄斗(楽天)といった選手たちも、オールスターに選ばれる資格を十分に持っている選手たちだ。そして“一芸”に期待を寄せるファンならば、周東佑京(ソフトバンク)に投票するだろう。周東にはスピードという分かりやすい武器があり、通常のファン投票と異なり、他球団ファンからの投票も多くなる傾向がある「プラスワン投票」では、人気を集める可能性は十分にある。

 今年の投票は7月6日からスタートし、12日まで投票が受け付けられていた。特徴としては「1日1回投票できる」という点にあり、毎日投票すれば1人で最大7票を投じることができる。この1人最大7票が結果にどう影響するのか。注目の“最後の1人”の発表は、7月14日の16時を予定している。