今年2月のお誕生日ショット!(公式インスタグラム@tenryu_genichiroより)退院後、初イベント開催決定!『天龍源一郎 サイン&撮影会』2023年7月17日(月・祝)/▼一部:14:00~14:45の回先着20名様▼二部:15:00~15:45の回先着20名様※本イベントは2部制/※チケット購入時に選択/会場:東京・北沢タウンホール・12階スカイサロン内/チケット料金:4,000円
(サイン会&撮影会参加権付き)チケットはこちらから⇒https://www.tenryuproject.jp/product/647
今年2月のお誕生日ショット!(公式インスタグラム@tenryu_genichiroより)退院後、初イベント開催決定!『天龍源一郎 サイン&撮影会』2023年7月17日(月・祝)/▼一部:14:00~14:45の回先着20名様▼二部:15:00~15:45の回先着20名様※本イベントは2部制/※チケット購入時に選択/会場:東京・北沢タウンホール・12階スカイサロン内/チケット料金:4,000円(サイン会&撮影会参加権付き)チケットはこちらから⇒https://www.tenryuproject.jp/product/647

 俺を含めて力士はゲンを担ぐことが多いから、支度部屋に出たり入ったりするときの所作も実は重要だ。俺の場合は取り組みに勝ったときは、土俵に向かった道と同じ場所を通って帰ったり、左足から入ったり、右足から入ったりと勝ったときのルーティンをすることが多いね。

 ほかにも、勝った日と同じ会社のタクシーに乗るとか、俺は気にしなかったけど、ほかの力士は勝った日に左手で塩をまいたらずっと左手でまき続けるということも多かったね。よく先輩力士や親方には「そんなに気にするなら、その分稽古しろよ」とからかわれたが、今にして思うと大鵬さんは仕切り前に「ゴホン」と咳をひとつしたり、柏戸さんは立ち合いの前に指についた塩をなめたりと、大横綱でもゲン担ぎやルーティンをしていたんだから、下っ端もどんどんやっていいんだよ(笑)。

 一時は、立ち合い前に口に水を含んで足にかけるっていうのも流行ったことがあった。これは、足が滑らなくなるという実用的な面もあったんだ。なかなか気づかないだろうけど、こういったゲン担ぎに注目して大相撲を観戦するのも面白いと思うよ。

 支度部屋で印象的だったのは輪島さん。印象的というよりも異質と言った方がいいかもしれない。輪島さんは学生横綱で、下っ端の叩き上げとも違うし、外車で国技館に乗りつけたのも輪島さんが最初だし、支度部屋に連れてくる付け人も学生相撲の力士だったりと、いろいろと変わったことをする人だった。

 本来なら相撲協会の力士が付け人になるべきなのだが、当時の花籠親方は伝統がどうのこうのとうるさく言わない人だったし、輪島さんもその方が気が休まるからというので許されていたようだ。

 支度部屋で俺が見た力士の中では、時津風部屋の豊国さんのがっちりした固太りのからだつきとか、立浪部屋の170キロもある若見山さんの大きさにも驚いたね。中央大学で相撲をやっていた豊国さんのガシっとしたからだと、飯を食うだけ食って大きくなったような若見山さんは対称的なからだつきだったし、俺がいた二所ノ関部屋は大鵬さんや大麒麟さんのようなまっとうな相撲取りらしさがある人ばかりだったから、ことさら驚いたことを今でも覚えている。

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高見山さんには驚いた!