仕事の業務時間が終了しても、仕事のことが気になり、家にいても気が休まらないという人は、心の疲れが溜まっている可能性があるので注意しよう。早稲田大学スポーツ科学学術院教授で精神科医の西多昌規さんは、「休日まで気持ちが仕事に占領されてしまっては、365日会社に行っているのと同じこと」という。西多さん監修の『やめてもいいこと86 心の疲れをとる事典』(朝日新聞出版)から、心の疲労回復ができない人の要注意な言動を紹介したい。
* * *
休日を楽しめない状態は「週末うつ」の入り口に立っているのかも。早急に生活リズムの見直しをしましょう。
本来なら、心軽やかになるはずの休日。なのに、妙に手持ちぶさたで仕事のことばかりが気になり、デートも趣味も楽しめない。有給休暇をとって旅行に出たものの、温泉に浸かっていても仕事が頭から離れずのんびりできない……。もしも、こんなふうに仕事が気になって「休日を楽しめない」状態が続いているとしたら、それは「週末うつ」の入口に立っているのかもしれません。
「週末うつ」とは、会社のある平日は健常にもかかわらず、週末(休日)になると生活リズムが崩れ気分が落ち込んでしまう症状。その根底には仕事にもとづく不安があると言われています。
しかし、休日まで気持ちが仕事に占領されてしまっては、365日会社に行っているのと同じこと。「最近、休日が楽しめないな」と感じたら、生活リズムの見直しから始めましょう。
起床・食事・就寝は、平日・休日を問わず同じリズムで行うのが理想。そして休日のなかに、「自分にとって楽しい!」時間枠をつくります。例えば、お気に入りのカフェで読書したり、平日はなかなかかまってあげられない愛犬や愛猫と好きなだけじゃれ合ったりするのもいいかもしれません。社会人にとって「仕事をしなくていい日=ラッキー!」であることを思い出しましょう。
■会社でも家でも常に仕事モードを維持する
「他者から与えられた仕事」を無理にこなしている場合、仕事のオン・オフの切り替えはとても重要。スイッチが切れない緊張状態が続くとストレス過多になり、肉体的にも精神的にも悪影響を及ぼします。