「まだまだ丸くはならない」と話す西川のりおさん(撮影/中西正男)
「まだまだ丸くはならない」と話す西川のりおさん(撮影/中西正男)

常にトップギアの芸風で走り続ける漫才師の西川のりおさん(72)。「西川のりお・上方よしお」として今も日々舞台に立ち続け、ブレないスタイルに多くの後輩芸人からリスペクトされる存在にもなっています。YouTubeチャンネル「のりおくんチャンネル~俺にも言わせろ!~」も立ち上げ、政治・経済に対してもエネルギッシュに持論を展開。衰え知らずという言葉を地で行く生きざまですが、その原動力となっているのは意外にも「怒り」だといいます。

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実は僕ね、意外と気が小さいんですよ。

そんなイメージはないかもしれませんけど、ホンマの無鉄砲なことはしない。後先も考える。最低保証もイメージしながら動く。そんな人間でもあるんです。

だからね、「放送コード?そんなもん関係あるかい!」とやってるようやけど、トラブルはほとんどない。その時の感情や言葉の根っこにある思いはほんまもんですけど、向こう見ずにやっているわけではない。後輩らにもちょくちょく言ってるんですけど、「危険なように見せるのが芸やで」と。ホンマに危険なことと、危険な香りがすることは別物です。

安心感は笑いにならないと思うんです。危なっかしいところに(笑)。

先日、上岡龍太郎さんが亡くなられましたけど、上岡さんもストレートにキツイことを言っているようでしっかりと視野を持ったコツコツ型やったと僕は思っています。

それで言うと、上岡さんが一緒にやってらっしゃった横山ノックさんは根っからの芸人というか、破滅型やったと思います。だからこそ、爆発的に面白かったんですけど。横山やすしさんも破滅型。一方、立川談志さんは改革者という空気がありつつも、実は上岡さんと同じタイプだったと思っています。それで言うと、僕もそっちのタイプなんだろうなと自分ながら思っています。ま、上岡さんからは「キミと(島田)紳助は犯罪者の目つきをしてる」と言われてましたけど(笑)。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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粗品はオモロイけど“破滅型”