さくらはマメのお母さんのよう(提供)

 年長の柴犬さくらは、お母さん的にマメを見守っていました。トイプードルのむぎは「私が一番なのに」と少し迷惑顔でしたが、いつしか無邪気なマメを受け入れました。

むぎはマメを受け入れたよう(提供)

 マメは、台所に置いた敷居も軽々と超えたり、エアコンと天井の狭い隙間に入ってみたり、犬にはできない芸当をしました。夜中も犬が寝ている間にひとりで運動会。「ってこんなことするんや」と驚くとともに、その行動がすごく面白い。

 そうかと思うと犬のような面もあり、私がマッサージ機に寝転がり、「マメちゃん」と呼ぶと、「にゃー(はーい)」といいながら駆け寄ってきて、喉をごろごろ鳴らして甘えました。隠れて悪いこともするので、家族には「デビルマメ」なんていわれていたけれど(笑)。

自分のことを犬と思っていたかもしれない(提供)

 犬の中ですくすく育つマメ。可愛くて、それまで持っていた猫のイメージも変わりました。

 マメが来た数カ月後、別の方から「里親を探している」という相談を受け、子猫のモチを迎えました。モチはマメと年も近く、兄弟のように仲良しになりました。こうして犬と猫の賑やかな生活がスタート、これがずっと続くんだなとわくわくしました。

 ところが……わずか2年で、状況が一転したのです。 

仲良しのマメ(左)とモチ(提供)

3つ目の病院でレアな症例だと判明

「あれ?」と思ったのは昨年9月末です。マメに少し変化が起きました。

 いつもぺろっとごはんを平らげるマメが、食べ残したのです。しかも、じっとしている。

 モチと一緒に遊ぶことが多かったのに、隅にひとりでいたり、ベッドに潜る時間が増えたり。

「おかしいな」と感じて、耳を触ると熱い気がしたので風邪かな?と動物病院に連れていきました。先生は「風邪でしょうね」といい、点滴をしてくれました。それでおさまったと思ったのですが、熱が続きました。ごはんの量も増えずおしっこの状態も気になってきて。膀胱炎を疑い、セカンドオピニオンとして尿路専門の先生のところに連れていきました。

 血液検査をすると炎症反応が出て、(膀胱炎でなきにもあらずと)膀胱系の薬をもらったのですが、先生は違う病気も疑ったようです。マメが首をぶるっと振るようにもなり、それを先生に伝えると、細菌が悪さをしているかもしれないと、免疫を上げるインターフェロンを飲むことになりました。

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