先週、永田町は衆議院の解散総選挙が近いという話で持ちきりだった。6月16日または19日に野党が内閣不信任案を出すと言われ、本稿が配信される20日朝までに岸田文雄首相が衆議院解散に踏み切っている可能性もあるが、と前置きしながら原稿を書いていると、15日夕方に、岸田首相が解散しないと表明したというニュースが飛び込んできた。
【余裕?】内閣不信任決議案の趣旨弁明を聞くときの岸田首相はコチラ
そもそも解散に大義がないという議論に対して、野党が内閣不信任案を出せば、岸田内閣としては、国民に信を問う大義を得られると自民党側から野党に牽制球が投げられ、一時は立憲がどう対応するのかに注目が集まった。
そんな折、自民党の情勢調査の結果と言われるものが14日から流布され始めた。それによれば、自民党の議席が現有262議席から220議席まで落ち込む。下馬評で大躍進と予想される日本維新の会は41議席から75議席に大幅増だ。一方、壊滅的敗戦濃厚と言われる立憲が96議席から114議席に増えるという意外な結果。
この数字を見れば、立憲としては、是非解散して欲しいということになる。維新に野党第1党の座を奪われることを最も恐れていたのに、その地位を守れて、しかも議席が増えるのならすぐにでも選挙をして欲しいというところだろう。そのためには、不信任案を提出し、岸田首相に解散の大義を与えるという作戦が考えられる。
一方、具体的数字はないが、自民党の情勢調査について、維新が野党第1党になるという話も流れてきた。こちらの情報を基にすれば、立憲としては選挙は避けたいということになる。
この手の数字は、関係者がそれぞれの思惑で歪めた数字を流すことも多いから、結局のところ、あまり当てにならない。何しろ伝えられた数字を足すと470議席になり、465の定数を上回っている。完全な捏造かはわからないが、解散はなしということになったことから見ればガセだったと見るべきだろう。
以上のような話を含め、解散が大きなテーマになっていたのだが、その関係で政治家やマスコミ関係者と議論することも増えた。私が受けている印象では、大多数が岸田政権の政策に否定的評価をしているように感じる。特に、防衛費にしても少子化対策にしても、その内容の評価が低い上に、財源論になると、ほぼ全員が、あまりにいい加減だということで一致する。