今は何をやっても無駄。本当の危機が来るのを待つ。
それは、紛れもなく、自民党の一部の良識派の中に「絶望から破綻願望」症候群が芽生えてきているということを示している。
一方、ある選挙プランナーによれば、コロナ禍が明けてから有権者の意識がかなり変わってきたという。コロナ禍では、人々の間に閉塞感もあったし、いまの政治を変えて欲しいという気持ちもないではなかったが、それよりも誰もが現状の生活を守ることで精一杯だった。だから自民党政治の継続でも仕方ないということになったのだ。ところが、コロナ禍が明けて、外出も増えるにつれ、明らかに内向き思考から大きな変化を求める気持ちが強まっているという。
良いことのように思うかもしれないが、実はこの状況は危険だ。
立憲や自民の一部良識派に「絶望から破綻願望」症候群が広がり変革への機運が盛り上がらない一方で、国民の間に変化への期待が高まればどうなるか。
維新が「唯一の改革政党」を旗印に「身を切る改革」と叫べば、他に選択肢が与えられていない有権者が雪崩を打ってそれになびいていく可能性が高い。
立憲をはじめリベラル野党議員は、自分たちこそ真の改革政党だという旗印と政策を掲げて、変化を求める有権者の声に応えなければならない。
もちろん、変化とは自民党のようなバラマキではない。その点の差別化も含めて、国民にアピールする「真の改革」政策を一日も早く打ち出すべきである。