一方、パ・リーグ球団の編成担当は全く違った見方を示す。

「根尾の適性は野手ですよ。大阪桐蔭でのプレーを見たら、どこの球団も遊撃で育てたくなる。最低3年間はみっちり遊撃で鍛えてほしかったですね。もし、遊撃で厳しかったら違うポジションに回せばいい。外野に転向した福留孝介(元中日)、二塁を守る山田哲人(ヤクルト)も入団した時は遊撃でしたから。打撃も目先の結果を追い求めてどんどんスイングが小さくなっていき、高校時代より悪くなっている感じがしました。本人の希望次第ですが、トレードするなら野手で欲しい選手です。23歳は大卒1年目でまだ若いと捉えられるが、結果を出せなければ1、2年後は立場が変わる。このまま終わるのはもったいない」

 プロは結果が全ての世界だ。根尾の同世代は、高校時代のチームメートだった藤原がチャンスメーカーとして今季頭角を現してきた。1位指名で入団した吉田輝星(日本ハム)、小園海斗(広島)が伸び悩んでいるなか、ドラフト6位の戸郷翔征(巨人)は球界を代表する投手に。昨季は自己最多の12勝をマークし、侍ジャパンでも3月のWBC制覇に貢献した。今季もリーグトップの7勝を挙げている。野手ではドラフト4位の万波中正(日本ハム)にブレークの予感が。今季はリーグトップの11本塁打をマーク。新庄剛志監督の指導を受け、確実性も上がっている。

 根尾は世代のトップランカーとして巻き返せるか。中日ファンだけでなく、全国の野球ファンがグラウンドで輝く姿を待ち望んでいる。

(今川秀悟)