「カネの流れ、不動産の売却状況などから、宮本容疑者が叔母にタリウムを飲ませて、資産を奪おうとしたという計画的な動機がうかがえる。また宮本容疑者のスマートフォンの検索履歴には「タリウム」や「殺人」といったワードの検索履歴もあった。宮本容疑者の他の親族の死因などについても捜査を進める」(捜査関係者)

 叔母は、茶道家でもあり、倒れる前には茶会を定期的に催していた。ビジネスには厳しく、一族の資産を堅実に運用して利益をあげていたようで、それはS社関連の不動産登記からもうかがえる。

 前出の宮本容疑者の親族は、こう話す。

「叔母は仕事にはシビアで独特な哲学がありました。まだ若い彼(宮本容疑者)をすぐにS社などの社長にするつもりはなく、『舞妓ビジネスでどこまでやれるか』と見定めていたようでした。叔母は、不動産の仕事を手伝わせるため、彼を別の会社の役員にしたけど、飲み歩くなどして多額の経費を計上したのでえらく叱り、トラブルになったことがあります。しかし、今回の事件が彼の犯行ならばただ驚くばかりです。性格はおとなしく、とてもそんな凶悪な犯罪に手を染めるとは今でも思えないんです」

(AERA dot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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