次の「精米」について橋本氏はこう語る。
「お米の精米は一般的に、顧客からクレームが来ないように、必要以上に精米することで『白さ』を出しています。ですが私たちは、お米に負担をできるだけかけないために時間をかけて精米する低温精米によって、お米本来が持つ風味と甘さを引き出しています。従来、セブン‐イレブンでも低温精米を採用していましたが、さらに追求しました」
3点目の「ブレンド」は、セブン‐イレブンが仕入れているお米を5%違いの配合で50パターン以上試作し、ブレンドの相性を食味し見極め、コンビニおにぎりにとって重要な「冷めても甘い」ブレンド米に仕上げた。
赤松さんは「目からウロコでした」と振り返る。
「こんなに甘さを感じるんだというのが、正直な感想です」
かくして3月下旬、第一弾として店頭に並んだのが「こだわりおむすび」の「八代目儀兵衛監修 昆布だしで炊いただしむすび」など4品。4月中旬からは、「手巻おにぎり炭火焼熟成紅しゃけ」など、定番の手巻おにぎり5品のお米を八代目儀兵衛監修に切り替えている。

コロナ禍も落ち着き消費も戻りつつある中、コンビニの商品の見直しは急務になっている。伸びしろはまだまだ大きいおにぎりは、その最たる例かもしれない。さらなる進化に注目したい。
(野村昌二)