家族の中で母親だけが中にあるモノを把握していたパントリー/ビフォー
家族の中で母親だけが中にあるモノを把握していたパントリー/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.47  自分が変わると家族も変わる

夫+子ども2人/医療関係

 子どもは親の背中を見て育つ、と言います。子どもは親のことをよく見て、無意識にマネをしています。ごはんの食べ方、人との話し方、立ち振る舞いなどが似ている親子は多いですよね。

 「片づけ」も親子で似ることがあります。片づけられないと私のところに相談に来る方の中には、「実は、実家もすごく散らかっていて……」と話される方がたくさんいらっしゃいます。

 今回ご紹介する彼女も、その1人。夫、息子、娘の4人で暮らす家は、モノであふれていました。

「小さな頃から、モノを手放す基準がわからなかったです。実家がものすごく汚くて、人が来るときだけ1つの部屋に散らかっているモノを押し込むような家でした。で、また散らかるということのくり返しで……」

 家がきれいな状態が続くことはなく、散らかっていることが当たり前。でも、成長するにつれて他の家との違いを知り、「これ、おかしいんじゃないかな」と気づいたと言います。でも、家が汚い環境で育ったという影響は大きく、結婚してからも彼女は片づけが苦手で、家の中はモノだらけ。

「夫と結婚してから、クレジットカードの明細書を捨てていいんだと知りました。実家では捨てたことがなかったので、いつまでも保管しておくものだと思っていました」

 子どもが生まれると、さらに家の中のモノは増える一方。不要品を売ったりして自分なりに片づけてみるものの、また散らかる。まるで自分の実家と同じ状態でした。さらに、新型コロナウイルスの流行によって、家の中がひどくなってしまうのです。

「それまで、きれい好きの義母とか私の両親が来るときにがんばって片づけていたんですけど、コロナ禍で誰も来なくなったらその機会がなくなってしまって」

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西崎彩智

西崎彩智

西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。公式サイトはこちら

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「え?この家のどこが汚いの?」