──新型コロナの影響でライブが中止になる一方で、星屑スキャットのユーチューブチャンネルが本格始動するなどの変化がありました。

ミッツ:私たちは星屑スキャット以外にも仕事があるので、なんとかやり過ごしている間に3年経った感じです。和恵さんとメイリーさんは飲食業なので、大変だったと思います。

和恵:私は歌手と飲食業という、自分の仕事のアイデンティティーが2倍奪われている感覚がありました。それでも、ユーチューブでライブ配信を始めたり、ソロのレコーディングがあったりしたので、何かが止まった感じはなかったですね。結果論ですけど、コロナ前とは違う層のファンが増えた気はしています。

ミッツ:2人と顔を合わせるときは、「感染させない・感染しない・感染拡大に加担しない」と、かなり気を使いました。ライブでも、3人の間隔を2メートル以上開けることを徹底して立ち位置を決めました。

メイリー:すごい徹底していましたよね。

ミッツ:でも、あとで気づいたんですけど、私たち、もともと立つ位置が離れていたんです。肩を組んで歌うこともないし(笑)。

 とはいえ、年齢の高いお客様もいますし、感染予防には気を使いました。今年のツアーも始まりましたが、「取り戻せた日常」と「コロナで変化した日常」を乗りこなしていきたいと思います。

■“ごっこ”の延長、変わらない思い

──以前からミッツさんは「星屑スキャットは、歌番組やディナーショーの“ごっこ遊び”の延長」と話しています。気持ちは変わりませんか。

ミッツ:変わらないです。何か新しいものを生み出したいという気持ちは、私のなかにはないんです。

和恵:ミッツさんが言うとおり、何かを生み出しているというより、自然と星屑スキャットというグループが形作られてきている感覚です。狙って作ったものではない、星屑スキャットのアウトラインが見えてきて、その輪郭を感じながら、今、何をするべきなのかという行動につながっている気がします。

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