部屋の使い方がはっきりせずにおもちゃもたくさん置いていたダイニング/ビフォー
部屋の使い方がはっきりせずにおもちゃもたくさん置いていたダイニング/ビフォー

 さらに、子どもの行動も観察して、おもちゃや幼稚園のカバンの置き場所も変更。子どもたちも自分で片づけられるようになりました。

 優さんが変わることから始まった家族の変化は、今後も続きます。夫が仕事の繁忙期が終わる頃に、家を片づけてくれることを約束してくれました。

「片づけはコミュニケーションだとプロジェクトで教わりましたが、本当にその通り。相手の気持ちを考えて行動することは、家族の絆を深めることにつながるなって思いました。養護教諭として、子どもたちにも片づけを通したコミュニケーションの大切さを伝えていきたいです」

 優さんは、家族が片づけられなくて悩んでいる人に向けて、こう話してくれました。

おもちゃなどを移動してごはんを食べることを目的とした場所に/アフター
おもちゃなどを移動してごはんを食べることを目的とした場所に/アフター

「まず、自分のモノだけでも徹底的に片づけてください。引き出し1つだけでも、自分が心から快適だと思える空間ができると、自分の居場所ができて自信が持てます。小さなことでもやってみると、大きな変化が起こると思いますよ」

 片づけていると、夫の「なんで捨てるの」という声が何度も頭の中に聞こえてきそうになったと言います。でも最後まで片づけられたのは、「私が決めたからやるんだ」という優さんの強い気持ちがあったから。

 片づけられないことを誰かのせいにしても、自分の理想の生活には近づきません。まず一歩を踏み出すことの大切さを、優さんは教えてくれました。

「本当は『自分だけ片づけても変わるのかな』っていう不安もありました。でも、想像以上に変われました!」

 やりきった優さんの言葉は、悩んでいる人の背中を押してくれる力強さがありますね。

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