磐田・山田大記
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 熱戦が続くJ2リーグは、7月2日の時点で全42節中、第23節までを消化した。すでに後半戦に突入している中、シーズン序盤の“サプライズ”は継続されており、「首位」を含めた「上位」と「中位」、さらに「下位」の差が、ハッキリと開いてきた。

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 首位に立っているのは、依然として町田だ。黒田剛新監督のもとで開幕戦での引き分け後から6連勝スタートを切った後も“堅守速攻”のスタイルで勝利を重ね、前半戦を勝点46(14勝4分3敗)で折り返した。チーム全体での組織的なプレッシングが機能しており、21試合で12失点という強固な守備で相手の攻撃をブロック。そして最前線ではFWエリキが強力な“個”を発揮し、第21節の栃木戦で決めたゴールはまさに理不尽極まりないもの。荒木駿太、平河悠といった若手アタッカーも躍動している。

 後半戦初戦の第22節の水戸戦(△1-1)は支配率60%を生かせずに引き分けに終わったが、続く第23節の大宮戦(○3-2)では同じく“ボールを持たされた”中で逆転勝利を収め、勝点50(15勝5分3敗、37得点15失点)で2位に勝点差7をつけている。監督、選手の多くが入れ替わった“新生”のチームが、勝ちながら成長している点は、今後の戦いを考えた上でも非常に楽しみな部分だ。

 自動昇格圏の2位につけているのは、同じく東京都を本拠地とする東京Vである。昨季途中に就任した城福浩監督が守備組織を固め、その流れの中で迎えた今季も開幕7試合を5勝1分1敗の好スタートを切った。前線からのアグレッシブな守備とGKマテウスの広範囲な働きが光り、中盤では22歳の若きキャプテン・森田晃樹が奮闘し、バスケス・バイロンも自慢の突破力を発揮。故障者が多く出た中でもしぶとく勝点を重ねている。そして、後半戦開始後も好調を維持し、第22節の山形戦(○2-0)、第23節の本戦(○1-0)と連勝を飾って2位に浮上。勝点43(13勝4分6敗、31得点14失点)の好成績を収めている。2008年以来16年ぶりのJ1復帰へ向けて、選手もサポーターもいよいよ本気になるべき時がやって来ている。

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磐田、清水の“静岡2チーム”の調子は