一方、監督交代後も浮上のキッカケを掴めずにJ3降格の危機に瀕しているのが、最下位に沈んでいる大宮だ。23試合を終えて勝点14(4勝2分17敗、21得点43失点)。開幕当初はホーム4連勝を飾って8試合を終えて4勝4敗と悪くない戦いを演じていたが、第9節から1分7敗と低迷して第16節終了後に相馬直樹監督が解任。原崎政人ヘッドコーチを昇格させたが、その後も白星が遠く、監督交代後も1分6敗の低空飛行。4月8日の第8節を最後に15試合未勝利(2分13敗)という状況が続いており、J2残留圏の20位まで勝点差10をつけられている。FWアンジェロッティの能力は高く、32歳の富山貴光も5得点と奮闘し、中盤にも技術の高い選手はいるが、チームとしての形が定まっておらず、守備崩壊が続いている。

 大宮がこのままJ3に降格すれば、大分、松本山雅に続いて「J1からJ3に転落したクラブ」となる。同じくJ1経験クラブで序盤戦に出遅れた千葉は勝点28(7勝7分9敗)の15位、徳島も勝点26(5勝11分7敗)と徐々に順位を上げて来たが、果たして大宮はこの窮地から脱することができるのか。

 スタート段階では横一線だったが、シーズンを折り返した現段階ではすでに上位と下位の「目標」が変わって来ている。マラソンは30キロからが勝負。毎年、大混戦のJ2も、まだまだここからの戦いに目が離せない。(文・三和直樹)