翌2021年に指名漏れとなった高校生で、大学で大きな成長を見せているのが堀越啓太(花咲徳栄→東北福祉大・投手)だ。花咲徳栄時代から本格派サイドスローとして注目されていたが、安定感に乏しかったこともあって指名はなかった。しかし大学に進学するとフォームの躍動感が別人のようにアップし、それに比例してスピードもアップ。1年春のリーグ戦でいきなり155キロをマークし、続く全日本大学野球選手権でも雨でコンディションが悪い中でも154キロのストレートを投げ込んで観客を沸かせた。冬の練習では非公式ながら160キロも超えているという。この春は少し安定感を欠いたものの、それでもイニングを大きく上回る奪三振を記録している。スピードに関しては早くもアマチュア全体でもトップと言える。タイプとしては自らが目標と語る大勢(巨人)と重なり、リリーフとして大成しそうな雰囲気は十分だ。

 2021年に指名漏れとなった大学生では古田島成龍(中央学院大→日本通運)、松本健吾(亜細亜大→トヨタ自動車)、竹田祐(明治大→三菱重工West)の3人の投手が今年有力な候補となっている。チーム内の立ち位置としてはエース格となっている古田島と竹田が上だが、好調時のピッチングで上回るのが松本だ。昨年の都市対抗では4回をパーフェクトのロングリリーフを見せ、秋の日本選手権では初戦でパナソニックを相手に1安打完封と圧巻の投球を見せた。春先に右肩の不調で出遅れ、好調時は150キロを超えるストレートが都市対抗予選では145キロ程度とまだまだ本調子ではなかったが、今月行われる都市対抗の本選で復調ぶりをアピールできるかに注目だ。

 昨年指名漏れとなった選手で最も知名度が高いのはやはり山田健太(立教大→日本生命・内野手)になるだろう。大阪桐蔭では根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)らとともに中軸を任されて甲子園春夏連覇に貢献。立教大でも早くから中心となり、大学日本代表の主将も務めている。上位候補という声も多かったが、最終学年で成績を落としたことと、守備の不安などもあって指名はなく、社会人に進むこととなった。

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山田は社会人経てドラフト指名なるか