チーム本塁打はリーグワーストの27。ただ、甲子園を本拠とする阪神も31本塁打と4本しか変わらない。だが、阪神はリーグ3位の247得点。中日と70点以上の差があるのはなぜだろうか。別の指標を見ると、対照的な数字が浮き上がる。阪神は235四球、36盗塁がいずれもリーグトップ。一方で中日は130四球でリーグワースト、21盗塁もリーグ5位だ。犠飛の数も阪神がトップの26で、中日はワーストの11。盗塁数がイコールで機動力に結びつくわけではないが、試合を見ていると次の塁を狙う意識が高いとはいえない。四球数も少なすぎる。少ない安打で1点をどうもぎ取るか。接戦を勝つために重要な要素だ。1点差ゲームは阪神が14勝5敗に対し、中日は8勝14敗と大きく負け越している。
選手個々の責任だけでなく、得点を取るためのベンチワークにも疑問が残る。立浪監督の指揮官としての資質はどうなのだろうか。
名古屋の民放テレビ関係者はこう指摘する。
「立浪監督は1軍の監督に就任する前に、2軍監督やコーチなどを経験すべきだった。指導法や戦術面の引き出しが少ないんですよね。ああ見えて頑固で起用法に柔軟性がない。日本ハムにトレードされた郡司はチャンスがほとんどなかったし。選手に誤解されるような冷ややかなコメントが目立つのが気になります。野球センスの塊で現役時代のキャリアは立派ですが、裏を返せばずっと日の当たる道を歩んできたので、結果を出せずに伸び悩んでいる選手の気持ちが理解できない。本人もストレスがたまっているのでしょう。交流戦で試合中にゴミ箱を蹴り上げた時は驚きました。負けが込んでベンチの雰囲気も重くなっている。チームは限界を迎えている」