獲得へ向けて動向を注視し、現役ドラフト巨人への入団という流れとなったが、物事は順調に進まなかった。心機一転、移籍が決まって迎えた今年の1月には昨年末に反社会的な人物との食事会に参加したことが報道され、再びグラウンド外での行動で目立つこととなってしまった……。

「報道があってから本人から報告があり厳重注意がされたという。処分こそなかったが軽率な行動には間違いない。些細なことでも巨人の選手なら大事になる。もちろん良くないことだが、気を引き締める機会にもなったようだ」(巨人担当記者)

 その後、キャンプ、オープン戦を必死にプレーをして開幕スタメンを勝ち取った。野球に集中することができたという部分では、結果的にはプラスに働いた事件だったと言えるかもしれない。

「反社会的な人物との件は問題視された。しかし関係者が尽力、今後の対策も徹底したという。オコエに対する期待度や愛情も伝わってくる。原監督が一人前に育て上げるという覚悟は本物で、その後の起用方法にも現れている」(在京球団編成担当者)

 だが、開幕から見せ場を作っていたものの、5月に入るとスタメン落ちが続き、同8日には登録抹消となった。それでもチーム内での期待の大きさは変わらない。降格の際には詳細な課題が本人に告げられ、一軍首脳陣が頻繁に二軍視察へ訪れるほどだった。一軍復帰後は外野の一角として太く、大きな柱になってくれることを期待しているかのようだった。

「練習を見ていると走攻守の全てが桁違いで野球センスの塊。本塁打王を狙えそうな打球の強さと飛距離。スプリンターのような加速力。マウンドから投げれば150キロが出るかというような強肩。野球自体への考え方、取り組み方次第で大きく化けると信じたい」(巨人関係者)

「二軍調整中は技術部分に関して細かい確認作業を行っていた。特に課題の打撃に関しては、体の使い方を周囲にチェックしてもらいながら1スイングずつ大事に振っていた。能力が高い選手が考えながらプレーすれば結果が出る確率は上がるはず」(巨人担当記者)

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今後のオコエ瑠偉にも注目