大宮エリーさんと高田万由子さん(写真:本人提供)
大宮エリーさんと高田万由子さん(写真:本人提供)
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 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。今回は高田万由子さんが受験前3カ月間にどう勉強したかを聞きました。

*  *  *

大宮:先生に「(東大は)あなたは受験無理よ」と言われてから、受験勉強はどうしましたか。

高田:受験までの3カ月間をどう使うか考えました。それなりに勉強はしてましたけど、受験勉強を始めたのは高3の10月です。

大宮:ほんとですか。

高田:1日のうち3時間は受験勉強だけに使いました。夜9時から12時は、宿題とかではなく、自分で作り上げたプログラムをこなしていくって決めてました。その間は、電話がかかってきても出ない、テレビも見ない、トイレにも行かない。100日間、合計300時間戦ったときに、自分は合格できるのか、できないかを実験しました。

大宮:すごい! 文系でしたよね。

高田:文IIIの後期で合格しました。私が受験した1990年から後期試験ができて、センター試験3科目と2次は外国語と社会に関する小論文だったので、私立と同じ受験科目で受けられたんです。後期はセンター試験の足切り(2次試験を受けられる平均点の最低ライン)の点数がとても高かったですが、私は平均点が93点でクリアできて。後期はもうなくなったんですよね。

大宮:論文、大変だったのでは?

高田:自分で予想問題を40、50問作って、いろいろパターンを考えてたら、そこから2問出ました。試験では考える間もなく書き始めました。やっぱり準備は大事だなって試験中に思いました(笑)。

大宮:準備できるかも、どんな準備を考えられるかもやっぱ才能ですよ。

高田:私、塾に行かなかったんですよ。塾の行き帰りに時間もかかるし、人に習うより、自分でやったほうが早いと思って。あと、試験の何日前までに、全体を3回繰り返そうとか、余裕があるから5回にしようとか、ゴールを決めて組み立てました。

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