山川は順調に行けば今年中にFA権を獲得し、オフは複数球団による争奪戦が有力視されていたが、今後の野球人生は一転し、現役続行の危機を迎えている。

 今季は4月上旬に右ふくらはぎの張りで3週間戦線離脱。5月2日に1軍に復帰したが、17試合出場で打率.254、0本塁打、5打点だった。チームも5月に入って下降線をたどり、下位に低迷。西武を取材するスポーツ紙記者は、こう語る。

「山川がいないからチームが低迷しているわけではありません。山川がいない時期が長かった3、4月は13勝11敗と健闘している。ただ、今後を考えると山川がいないのは大きな痛手です。松井稼頭央監督も大きな誤算だったと思います。西武はただでさえ戦力的に厳しい。投手陣はそろっていますが、昨オフに攻守の要だった森友哉がFAでオリックスに移籍して打線の迫力不足は否めない。ここで主砲の山川が想定外の形で起用できなくなり、周囲から色々な声が耳に入ってくるので野球に集中するのが難しい状況になっている。松井監督に低迷の責任を負わせるのは酷ですよ。チームを作り直すために2、3年の猶予が必要です」

 西武は主力選手がFAで流出しても、若手の台頭で強さを維持してきた歴史がある。

「山川は今オフにFAで他球団に移籍する可能性も考えられただけに、半年前倒ししてチームを作り直す感覚で良いと思います。若手選手たちはレギュラーを奪うチャンスだと捉えればいい。松井監督が現役時代にメジャー挑戦した際は、中島宏之(現巨人)が遊撃の定位置をつかみ、エースの菊池雄星(現ブルージェイズ)がマリナーズに移籍した後は高橋光成が先発の柱になった。救世主となる若手の台頭が楽しみです」(民放のテレビ局関係者)

 山川がいなくても、西武の戦いは続く。就任1年目の松井監督は大きな試練を味わっているが、「常勝西武」を再構築できるか。その手腕が注目される。

(今川秀悟)

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