警視庁は23日、西武の山川穂高を強制性交等の疑いで書類送検した。山川は12日に登録抹消されて1軍復帰のメドは現時点で立っていない。西武は「当球団の選手が書類送検されたことは誠に遺憾であります。ファンの皆さまや関係の皆さまにご心配をおかけしており、誠に申し訳ございません」とコメントを出した。
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スポーツ紙デスクは、山川の今後についてこう語る。
「現段階で有罪が確定したわけではありませんが、起訴される可能性が低いというわけでもない。相当処分でも起訴されるケースはあります。検察が起訴、不起訴の判断に半年以上かかることも考えられる。仮に不起訴となった場合も、グラウンドでプレーする理解が得られるかというと疑問です。西武は山川がいないものとして今後のチーム作りを考えた方が現実的だと思います」
NPBでは過去に性犯罪で解雇された事例がある。大洋の主力投手として活躍していた中山裕章が1991年オフに幼児への連続強制わいせつ事件を起こし、神奈川県警に逮捕された。大洋は球団幹部が中山と面談をした上で反省の色が濃く、将来的な復帰を見据えて中山に保留手当を支払うことを検討したが、セ・リーグ連盟は「処分が甘すぎる」と差し戻しに。契約解除となった。その後、94年に中日で支配下登録され、2001年まで中日でプレー。その後は台湾球界で活躍した。
当時の大洋を取材したスポーツ紙記者は振り返る。
「中山は間違いなく大洋の将来を背負って立つ素晴らしい投手だった。性犯罪という前代未聞な事件を起こした時はショックでした。中山の場合は被害者との示談が成立して検察側は起訴しませんでしたが、野球ファンの夢を裏切った、社会的影響の大きさを考慮した上で球界を離れることになった」
今回の事件で山川にも言い分はあるかもしれないが、ファンは裏切られた思いが強いだろう。愛妻家として知られ、家族を大切にするイメージが強かった。昨季は本塁打、打点の2冠に輝くなど、3度の本塁打王を獲得。球界を代表する和製大砲としての地位を築き、今年3月のWBCでは侍ジャパンの一員として世界一に貢献した。大会中は自身のインスタグラムでダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(エンゼルス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)らと写った写真を掲載。ベンチスタートが多かったが試合中に声を張り上げ、代打の切り札として奮闘する姿は多くの野球ファンの心をつかんだ。
だが、今回の騒動で「なぜ侍ジャパンを出場辞退しなかった?バレないと思ったのか」、「世界一に泥を塗ってしまう行為をしたのに、なぜ出場したのか」などSNS上には批判の声が殺到する事態に。