作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。14人目のゲストは俳優・タレントの高田万由子さんです。
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高田:エリーさんは夫(葉加瀬太郎さん)とは交流がおありですよね。
大宮:葉加瀬さんの番組に出演させていただいたご縁で、葉加瀬さんが作曲されるお能の脚本を書かせてもらいました。葉加瀬さん、お能も、ってすごいですよね。あのとき万由子さんにも会えちゃったりするのかなと思ったんだけど(笑)。
高田:すみません。あまり表には出ていかなくて。裏にはいるんですけど(笑)。バイオリンとお能の組み合わせは、初めての試みでした。現代と古典の架け橋になるように、エリーさんにお願いしたみたいです。
大宮:うれしいです。お能も神様の世界も結構好きなので。万由子さんはクラシック音楽、お好きですか。
高田:いや、別に(笑)。音楽は深すぎて分かんなくて。
大宮:えっ、そうなんですか。
高田:ピアノは小さいころ習ってたんですけど、全然弾けなくて。バイオリンは娘が2歳から16歳まで習ってたときに、私がピタッと横についていて、先生が娘に教えたことを全部書き留めて、家で娘に通訳するみたいなことをしてたので、バイオリンはこうすると上手に弾けるんだろうなっていう理屈みたいなのは分かります。弾けませんけど(笑)。
大宮:すごい。私たち、同じ時期に在学してたんですっけ。私は今47歳で、1浪しました。
高田:私は52歳で、高校で1年留学してます。
大宮:かぶってないのか。でも、学内で高田さんのこと、すごく噂になってました。「東大生から女優さんになった人がいる」「すごい美人」って。
高田:私ね、シブがき隊のモッくんの大ファンで、モッくんのいる芸能界に入りたいって願望がずっとあったんです。大学2年のときに「週刊朝日」に写真を送って表紙の女子大生モデルに選ばれて、それからは仕事のお話が来たらハイハイと即決してました。だから、勉強もしなくて……。
大宮:あ、大丈夫ですよ(笑)。
高田:そもそも東大に入りたくて受けたのではなく、私自身のチャレンジだったんです。白百合学園に小学校から行っていたんですが、高校のとき、1年間留学するために、一度退学して、また編入するという前例のない対応をしていただきました。だから、学校に恩返ししたくて、国立を受けたんです。