「エスコンフィールド北海道」のグラウンド全景
「エスコンフィールド北海道」のグラウンド全景
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 日本ハムの新本拠地・エスコンフィールド北海道。「世界がまだ見ぬボールパーク」をコンセプトにした球場だ。天然温泉やサウナで試合観戦できるほか、世界初となる球場内醸造のクラフトビールを堪能できる。また、北海道産の食材を食べられる飲食店やレストランがズラリ。完成前から地元・北海道を中心にマスコミで連日大きく取り上げられ、今年の開幕戦・楽天戦は異例の「1日前倒し」で3月30日に開催された。

【写真】本拠地移転から25年なのに、今でもファンに愛されている球場がこちら

 だが、開幕前に高まった熱気が持続しているとは言えない。開幕3連戦は3万人を超える観客が集まったが、4月14日からの西武3連戦は2万人台に減少。平日に開催された18日からのロッテ3連戦は1万人台まで落ち込んだ。土日開催の試合も開幕カード以降は1度も3万人を超えていない。

 新庄剛志監督が就任して2年目の今季、最下位に低迷していることも一因として挙げられるだろう。昨年は若返りを図り育成に主眼を置く起用法だったが、昨年の札幌ドーム最終戦で、「来年は2位も6位も一緒です。日本一だけを目指してぶれずに戦っていきたいと思います」と宣言。勝負に徹してリーグ優勝を目指すことを誓ったが、下位に低迷して苦しい戦いが続いている。

 日本ハムを取材する記者は「まだ優勝争いをできる戦力ではないことは明白です。リーグ3連覇を目指すオリックスと比べても個々の能力は落ちるし、選手層の厚みも違う。攻守の精度でも差がある。新庄監督は現有戦力でよくやっていると思いますよ」と評価する。

「札幌ドームでも昨年は平日に限らず、土日も1万人台しか入らなかった試合がありました。観客動員数のトータルで考えると今年の方がお客さんは入ると思います。大事なのはリピーターのファンを増やすことでしょう。今は新球場という新鮮さがあるので足を運んでいるお客さんが多い。何度もエスコンに足を運んでもらうために、いろいろ改善点はあると思います」

 日本ハムが北海道に本拠地を移転した2004年から応援しているという50代の女性は、開幕3連戦でエスコンフィールドに足を運んだが、その後は通ってないという。

「日本ハムの野球に魅力がなくなったわけではありません。テレビで観ていますし。ただ、交通のアクセスが……。足の具合が良くないので車で球場に行くのですが、駐車場は全て事前予約で4000台があっという間に埋まる。チケットは取れるけど、駐車場が満車だったので観戦をあきらめたこともありました。駐車料金も土日だと3000円かかる。チケット代、球場での飲食代など全部含めると1万円近くの出費になるので、厳しいかなと。球場に通うことだけを考えれば、札幌ドームの方が良かったです」

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