内科医からは(1)これからは鮟肝を食べないこと(2)尿酸生成抑制剤を常に服用することを提案されました。

 鮟肝は好きだといっても、私がひいきにしている居酒屋さんのメニューにはめったに登場しません。ですから、食べなくてもどうってことはありません。しかし薬を常用するとなると、気が重いですね。薬を飲むたび、あの鮟肝ステーキを2枚も食べなければよかったと後悔するのはいやです。

 で、ライフスタイルを変えることで、発作の再発を抑えることができないか、調べてみました。ところが、これが並大抵ではないのです。

 まずはアルコールの制限が厳しいのです。晩酌するにしても、日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本、ウイスキーならストレート1杯だというのです。これじゃあ、飲んだ気にならないですね。酒を愛する人間には、とても受け入れられません。やっぱり、薬を飲む覚悟を決めました。

 尿酸生成抑制剤を毎朝食後に2錠服用します。そのかわり、アルコールは好きなだけ飲んでいます。これを30年続けていますが、問題ありません。鮟肝もたまには食べています。でも、必ず1人分だけです(笑)。

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

週刊朝日  2023年3月17日号

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