大宮エリーさん(左)と出雲充さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
大宮エリーさん(左)と出雲充さん(撮影/写真映像部・東川哲也)

大宮:あら。なんでですか。

出雲:バングラデシュはインドの隣の国ですから、朝昼晩カレーを食べるんですけど、その量が多いんです。

大宮:なるほどね。

出雲:今、エリーさんって、1年間にどれぐらいお米食べます?

大宮:はかったことがないんですけど。わりとパンよりも米派です。

出雲:たぶんエリーさんは、1年間に50キロのお米を食べていらっしゃるんですけど、バングラデシュの人は1年間に180キロ以上。

大宮:そんな食べるんですか!

出雲:私たちの3倍以上食べてるんですね。だから満腹なんです。でも、カレーに具が入ってないんですよ。

大宮:あらららら。

出雲:ニンジンもタマネギも、お肉もお魚も、卵も牛乳も。電気が通ってないので冷蔵庫が普及していなかったんです。

大宮:えー。

出雲:みんなね、「これ以上食べられないよ」「僕たち毎日満腹で幸せだ」って言ってるけど、栄養失調だった。じゃあ、私は農学部で栄養の勉強をして、栄養満点のものをバングラデシュの子どもたちに食べさせてあげたいっていうのが出発点ですね。

大宮:へえ。でも、いきなり微生物っていうのはどうしてですか。

出雲:とにかく一番栄養価が高いものを大学で勉強して、バングラデシュに持っていこうと。

大宮:それでユーグレナに行きついたんですね。

大宮エリー(おおみや・えりー)/1975年、大阪府出身。99年、東京大学薬学部卒業。脚本家、演出家などを経て画家として活躍。クリエイティブのオンライン学校「エリー学園」「こどもエリー学園」を主宰。瀬戸内国際芸術祭(岡山県・犬島)で「光と内省のフラワーベンチ」を展示

出雲充(いずも・みつる)/1980年、広島県出身。2002年に東京大学農学部卒業、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。05年、ユーグレナを立ち上げ、代表取締役社長に。同年、世界初の微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養に成功。著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』など

AERA 2023年3月13日号

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