1部上場企業の顧問を務める。62歳のときに34歳年下のC子さんと恋愛。当時、長年連れ添った妻と既に成人した2人の娘がいた。C子さんは夫と2人暮らし。
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DさんにとってC子さんはまさに一目惚れだった。
二人が出会ったのは、今から13年前、仕事関係のパーティーでのこと。Dさんは愛くるしい表情のC子さんがとても気になった。二人はその場で挨拶を交わし、電話番号の交換をした。
それから何度かDさんは彼女を食事やお酒に誘い、互いの距離を縮めていった。そんな穏やかな関係が8年も続いた。
二人の関係が急展開を見せたのは、Dさんが心臓発作で倒れたときのこと。病院のベッドの上で生死の境をさまよっている間、Dさんは妻ではなくC子さんのことばかり考えていた。
一方のC子さんも、Dさんの連絡が突然途絶えてしまい、大きな不安に駆られた。心配でどうしようもなくなったC子さんは、Dさんの会社の秘書に連絡を入れ、彼が倒れたことを知った。立場を考えるとすぐに病院へ駆けつけることもできず、悶々とした気持ちの中で毎日涙を流していた。
幸いDさんが無事退院して、久しぶりに会った二人。Dさんはその瞬間、
「彼女を抱きたくてしかたなかった」
と強く思ったという。Dさんはホテルオークラのスイートルームをとり、その夜、二人はひとつになった。
それから1年後、C子さんは子どもができず夫婦関係もうまくいっていなかった夫と離婚をする。
C子さんが離婚するとすぐに、Dさんも妻に離婚を持ちかけたが、子どもも財産もあるDさんの離婚は泥沼化した。ところがそんな折、C子さんの妊娠が発覚する。父親はDさんだ。これでDさんの妻も観念し、相当額の財産と引き換えに離婚が成立した。
再婚同士の二人は結婚式を開き、参列者の女性のほとんどが40歳以上、男性は70歳前後という、一風変わった式になったという。いまでは2歳になる子が二人の生きがいだ。