医師、個人病院の院長。43歳の長男を頭に3人の子どもがいる。既婚者で2人の子持ちである看護師のJ子さん(37)と恋愛関係を続けている。
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地元でも定評がある個人病院を経営するG医師は、自分の下で働く看護師のJ子さんを気に入っていた。
2人の子どもを産んでいるようには見えない抜群のスタイルで、美人だった。
日々病院で一緒に仕事をする中で、G医師はもしや彼女のほうもまんざらではないのではと感じるようになっていた。
日中に3件の手術をこなしたハードな日だった。G医師は医院長室で書類の処理に追われていた。そこへ、お茶を持ったJ子さんがドアをノックした。いままで浮気をしたことがないわけではないが、命を預かる神聖な職場でそういう行為をしたことはなかった。
そのときは魔が差したとでもいおうか……。疲れた体に気持ちが高揚していたせいだろうか、部屋へ入ってきたJ子さんを獣のようにソファの上に押し倒した。J子さんは、最初は「こんなところで……」と抵抗したものの、徐々にG医師を受け入れていった。
それからは週に一度、食事の後にホテルに行く関係を続けた。興奮を求めるために、ときどきあの医院長室でのプレーも楽しんでいるという。
「彼女のために病院の近くにマンションを買って、そこを二人の愛の拠点にしたい」
とG医師は頬をゆるめる。