27日には東京に姿を現した。JR三鷹駅前で、ミカン箱くらいの小さなお立ち台の上でマイクを握り、
「大阪弁しかしゃべれなくて、大阪の候補者だとよく間違えられるんですけど、全国比例区なので全国どこからでも個人名で書いていただけるんです。大阪でしか名前書いてもらったことがないんで、これを機会に全国行脚しようと思って、47都道府県のうちの44まで回りました」
と東京でも、「投票用紙2枚目」をアピール。
「大阪はたくさんの人がコロナで亡くなりました。何回も何回も同じ失敗を繰り返し、たくさんの人が亡くなったんです。なぜかといえば、維新が圧倒的多数を占めてしまっているので、維新の吉村知事に対し、コロナ対策やカジノ誘致について、おかしいじゃないかと言う議員がいなくなったんです。国会もそんな状態にしたらあかんと思うんです」
と維新批判を繰り広げた。
一方、これまで大阪で辻元氏を「攻撃」してきた維新。
「辻元氏が全国を回って、菅氏が大阪で維新の悪口を触れて回るのは頭が痛い半面、それだけうちも注目されるポジションになったということ。辻元氏は立憲の大阪の象徴のような人だった。昨年の衆院選では、まさに『打倒辻元』でした。今回の参院選で比例区に回った辻元氏は、大阪ではうちに勝てなくなり、逃げ出したとみていますよ。世論調査の数字でもうちは立憲より好調です。今のところ、あまり大きな影響は感じていない」(維新の国会議員)
野党同士の“足の引っ張り合い”を尻目に、岸田文雄首相は選挙期間中にもかかわらず、G7サミットに出席するなど余裕をみせる。
ある自民幹部が話す。
「そりゃ、参院選がこういう情勢だから岸田首相もなんの心配もなく外遊できるでしょう。自民にとっては、憲法改正などを考えると昨年の衆院選に続き維新に勢いがあるのはありがたい。立憲は参院選でダメならまた党内抗争が激化するんじゃないのか。野党第1党が維新でも立憲でも、どちらでもかまわない」
どの党も、国民のためより、党のため?
(AERA dot.編集部・今西憲之、上田耕司)