6.小山正明(ロッテほか)/232敗320勝、勝率.580

7.長谷川良平(広島)/208敗197勝、勝率.486

8.平松政次(大洋)/196敗201勝、勝率.506  

9.松岡 弘(ヤクルト)/190敗191勝、勝率.501

10.坂井勝二(ロッテほか)/186敗166勝、勝率.472

 小山正明の通算無四球完投73は、鈴木啓示に次ぐ史上2位。抜群のコントロールを誇り「投げる精密機械」の異名を取った。鈴木同様、コントロールがいい投手は勝率もそれなりに高い。通算320勝の勝ち数は、金田、米田に次ぐ史上3位である。長谷川良平は、2リーグ分立の50年に創設された広島のエースだった。プロ入りの50年に15勝27敗でリーグ最多敗戦。それでも55年に30勝で最多勝。167センチ56キロのサイドスローで「小さな大投手」と呼ばれた。通算200勝に到達しなかった最も残念な投手かもしれない。

 平松政次は、通算201勝で大台をギリギリ超えた。「カミソリシュート」を武器にして長嶋茂雄が最も苦手にした投手(181打数35安打、打率.193)として有名だ。それだけに196敗という数字は意外だった。現役18年間で優勝経験が皆無ゆえ、仕方ないところか。当時の「セ・リーグ6大エース」のうち、平松、堀内恒夫(巨人)、江夏豊(阪神)らは通算200勝に到達したが、松岡弘、星野仙一(中日)、外木場義郎(広島)らは残念ながら届かなかった。坂井勝二は、大洋に移籍した70年、それまで在籍したロッテが優勝する不運。62年から7年連続2ケタ勝利をマークしたが、6年連続で16敗以上を喫した負け数の多い投手だった。

11.石井茂雄(阪急ほか)/185敗189勝、勝率.505 

12.三浦大輔(DeNA)/184敗172勝、勝率.483 

13.石川雅規(ヤクルト)/179敗181勝、勝率.503   

14.別所毅彦(巨人ほか)/178敗310勝、勝率.635 

15.村田兆治(ロッテ)/177敗215勝、勝率.548

 石井茂雄は、67年の防御率3.73がリーグ最下位の22位だったが、9勝4敗の勝率.692はリーグ1位だった。通算で負け越している投手が勝率1位のタイトルに輝いているのは面白い。その年、勝率.667で2位(20勝10敗)だったのがチームメートの足立光宏。しかも防御率1.75はリーグ1位。2人はその年の阪急の優勝に貢献。足立も通算200勝まであとわずかの187勝だった。

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