オリックスでもプレーしたジョーンズはトレードでオリオールズ移籍後に才能が開花
オリックスでもプレーしたジョーンズはトレードでオリオールズ移籍後に才能が開花
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 近年は日本のプロ野球でもトレードが増えてきている印象を受けるが、海の向こうのメジャーリーグでは日本の比ではない件数のトレードが毎シーズン成立している。特にトレード期限(今年は8月2日まで)の直前には多くのチームの間でトレードが頻発する。

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 各チーム、そのシーズンの戦いや将来を見据えて補強に動くが、駆け込み的なトレードも多く、後々に「あの選手を出さなければ良かった……」と思ってしまうような未来のスター選手を簡単に放出してしまうケースも多い。

 メジャーで最も有名な“もったいない”例の一つが大投手のジョン・スモルツが絡んだトレードだ。1985年に22巡目(全体574位)でタイガースに入団したスモルツは、まだメジャーデビュー前だった1987年に36歳のベテラン投手ドイル・アレクサンダーとのトレードでブレーブスに放出された。アレクサンダーも優勝争いをするタイガース移籍後に9勝0敗、防御率1.53で地区シリーズ進出に貢献したが、その2年後にリーグ最多の18敗を喫して現役を退いた。

 一方でスモルツは先発、そしてリリーフとしてもリーグ屈指の投手に成長。最多勝2度、最多奪三振2度、最多セーブ1度、サイ・ヤング賞1度、オールスター8度など数々の功績を残し、2015年には資格取得1年目にして殿堂入りを果たしている。チーム成績を見ても、タイガースはアレクサンダーが加入したシーズン以降長きに渡ってプレーオフ進出を逃すこととなるが、ブレーブスはスモルツに加え、グレッグ・マダックス、トム・グラビンなど球史に残る好投手が揃い、90年代に黄金時代を迎えた。タイガースは「その年」に賭けた見返りに「未来」を失う形になってしまった。

 こういった例は他にもある。1990年にはレッドソックスが、37歳のラリー・アンダーセンというリリーバーをアストロズから獲得するために、見返りとしてまだデビュー前だったジェフ・バグウェル内野手を放出した。アンダーセンは移籍後に15試合の登板で防御率1.23と結果を残したものの、オフにFAとなりパドレスに移籍。レッドソックスでのプレーはわずか数カ月となった。

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トレードでの“やらかし”多いチームは?