ここ何年かでいわゆる新喜劇の顔というか、レジェンドと呼ばれるような方々が亡くなっていきました。
井上竜夫さんもそうですし、チャーリー浜さんも、島木譲二さんもいなくなってしまった。今はすごく若い新喜劇に変わっていっている時期だとも思います。
それはそれで素晴らしいことなんですけど、これから自分が新喜劇で何ができるのか。それを考えもします。
今僕が35周年。例えば、50周年までこの仕事ができていたとしたら、どんな新喜劇になっていて、その中で自分がどんな役割を果たせているのか。
竜じいやチャーリーさんらにしか出せない面白さがあったように、自分も何かの味を出せる存在でいられたら、それはそれで新喜劇のためにもなるのかなとは思います。
今から15年先。もう73歳。となると、今の寛平兄さんと同い年なんですよね。73歳であの元気さをキープできてるか、さすがに自信はないですけど(笑)、最高のお手本がいてますからね。少しでも近づけるよう頑張りたいと思っています。(中西正男)
■辻本茂雄(つじもと・しげお)
1964年10月8日生まれ。大阪府出身。和歌山北高校時代は自転車競技で高校選抜大会3位など全国レベルの選手として活躍。競輪選手を目指すも、足に腫瘍が見つかり断念する。86年、大阪NSCに5期生として入学し、漫才コンビ「三角公園USA」を結成。89年にコンビ解散後、吉本新喜劇に入団。99年に座長に就任し、2004年には上方お笑い大賞を受賞する。新喜劇以外にも、NHK連続テレビ小説「あさが来た」など役者としての出演も多数。19年に座長を勇退後も自身の人気キャラ“茂造じいさん”を軸にした公演などを精力的に行う。芸能生活35周年の記念公演「辻本新喜劇inなんばグランド花月7DAYS」を7月25日から31日まで大阪・なんばグランド花月で開催する。