日本を代表するYouTuberのヒカキンさんが、ゲーム実況チャンネル「HikakinGames」のコメント欄で謝罪しました。ことの発端は、人気ゲーム「APEX」の実況中に、自分を攻撃してきた味方プレーヤーに攻撃的な言葉を発した上に、そのプレーヤーの名前をコメント欄にさらしました。しかしながら、本当の原因は、ゲーム内のアイテムに、プレーヤーが自身のものだと印をつけていたのに、ヒカキンさんが知らずにアイテムを横取りしてしまったことでした。
発言の内容は、過激な発言が出やすいゲーム実況というジャンルの中では、暴言というほどのものではなく、炎上するほどの内容ではなかったと思います。批判が集まったのは、自身が影響力の強いYouTuberであると自覚しながら、見知らぬプレーヤーをさらしたことでした。影響力のある有名人が、特定の個人を晒し、ファンに攻撃させようとする行為はモラルに反します。
2020年に、ホリエモンこと堀江貴文さんが、マスクを着用していない友人の入店を認めなかった餃子店をTwitterで晒し、堀江さんのフォロワーが餃子店にいたずら電話をするなどの迷惑行為をし、餃子店が休業に追い込まれました。有名人が、特定の個人や店を「さらす」ということは、影響力の暴力とも言えます。プロのボクサーは、素人に拳を振るうと選手ライセンスを剥奪されます。仕事以外では、自分の技術を発揮してはいけないという決まりです。インフルエンサーの影響力も、仕事以外では発揮すべきではない力とも言えます。誰かを攻撃しようとする行為は、インフルエンサーとしてのイメージが低下する可能性も高いため、誰にとってもメリットがありません。理不尽な行為に腹が立った場合は、個人名や店舗名などを特定されない形で言及するのが望ましいです。
ヒカキンさんが炎上することは非常に珍しく、おそらく今回の件のようなことは、今後は起こらないと思われます。ヒカキンさんは、「HIKAKIN」という視聴者が望むキャラクターを徹底的に演じてくれる人物です。キャラクターを演じることは、珍しいことではありません。矢沢永吉さんはYAZAWAを演じ、木村拓哉さんはキムタクを演じ、他の有名人の方々も、求められるキャラクターを演じることでファンからの期待に応えているのだと思います。