YouTuberやインフルエンサーも同じです。キャラクターを演じることは、自分を偽ることやファンをだますことではなく、ファンへの思いやりであり、愛情です。今まで、ヒカキンさんが模範的なYouTuberとして炎上がほとんど起こらなかったのも、彼がプライベートを含めて徹底的に「HIKAKIN」を演じていたからです。数々のYouTuberによるスキャンダルや炎上や問題行為のニュースが流れても、ヒカキンさんだけは聖人のように模範的な言動をしていました。彼のプロ意識が非常に高く、YouTuberとして視聴者やファンが最も望む形を模索し続けているためです。この意味では、HIKAKINも、YAZAWAも、キムタクも、もはや概念と言えます。
役割を演じている、という考え方をすると、トラブルが減ります。例えば、オンラインで対戦ゲームをしていた場合、相手は敵役を演じているプレーヤーで、次の試合では味方役としてプレイする可能性もあります。大枠で捉えると、同じゲームを楽しんでいる仲間です。相手は、敵役をしているから自分に攻撃しています。自分のことが嫌いとか、悪意を持っているわけではないのです。こう考えると、暴言を吐く気持ちも薄まります。職場や学校で、上司や先生が厳しい指導をしたり苦言を呈するのも、「上司」「先生」「先輩」などの役割を演じているからであり、個人的に嫌いだからというわけではありません。そう思えば、素直にアドバイスや指摘を聞き入れやすくなります。
悪意や嫉妬などの理由で、明確に攻撃してくる人も、70億人以上が参加している人生というゲームをプレイしている仲間であり、適役かモブ役で登場しているのだろうと思えば、気持ちが楽になります。まさに、役割を演じているRPG(ロールプレイングゲーム)の考え方です。一時的な感情で、人からの信頼を失ったり、誰かを傷つけてしまわないように、「役割を演じている」という考え方はYouTuberだけでなく多くの人にとって大切だと思います。