日本新党が解党し、新進党が誕生する際には、小沢一郎氏らが水面下で動く党首選について「新しい顔、若い人に党首になってほしいが、報道を見る限り今のままではすでに話し合いで決まっている」「実質的な選挙へ向け若手議員に働きかけてきたが難しい状況だ」と批判。新進党に参加せず、いったん無所属となった後、95年3月に自民党入りが認められた。

■新進党から自民党入りした高市氏

 政調会長の高市早苗氏が朝日新聞の記事データベースに初めて登場するのは1990年1月24日。同日の衆院解散に合わせた朝刊の記事で有識者としてコメントを寄せている。

◆ビジョン論議欠ける高市早苗・亜細亜大日本経済短大専任教員(28)=経営学
【90年代は大変な時代です。エネルギー、食糧の確保や高齢化社会、外国人労働者問題など未知との遭遇に対する不安に、政治がどうこたえてくれるか。去年の参院選前まで米国で仕事(米連邦議会立法調査官)をしていましたが、大統領選ではビジョンがわかりやすく論議されるのに、日本は欠けている。消費税については、製品の内外価格差の是正など納得のいく措置がとられれば、5、6%の税率になっても、と思うくらいです。今度の総選挙に女性がたくさん立候補するのは、すごく評価します。ただ、参院選で当選したマドンナの中には「これから勉強します」といった人もいたが、これでは女性の地位は落ちるばかり。女を売りものにするだけでは、いけないと思います。】

 女性の政治参加を歓迎する一方、不勉強な女性議員に厳しい注文をつけている。その裏返しか、高市氏は21年秋に自民党総裁選に立候補した際に、総裁候補としての公約に直接かかわることにこだわり続け、周囲を困らせたことは永田町界隈では有名な話だ。

 高市氏を全面支援した安倍晋三元首相でさえ、月刊誌「文藝春秋」22年2月号のインタビューで「高市さんは、真面目で勉強熱心なうえ、胆力もあります」と評価する一方、「ただ、いささか真面目過ぎて、何でも自分で引き受けてしまうところが玉に瑕(きず)。総裁選の時も、テレビに出演してアピールすべきなのに、部屋にこもって細かい政策を練っていたほどです」と苦言を呈した。

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