オンライン署名は、署名サイト「Change.org」を通じて8月下旬まで集め、8月末に防衛省の岸信夫防衛大臣に提出する予定だ。
「第三者委員会を立ち上げ、公正な調査をして、(関係者への)厳正な処分を望みます。今後、このような被害が起きないように、新隊員の人たちが安心して勤務できるように対策を徹底的にしてほしいと願っています」(五ノ井さん)
また、民事訴訟のために弁護士を雇う予定はないとしている。
「一番は費用の問題ですが、私が受けた性被害はお金で解決できることではないので、民事訴訟を起こして損害賠償請求をすることは、今は考えていません。むしろ、世の中の人に声を発信し続け、今できることを精一杯やり、限界まで戦っていきたいと思っています」(五ノ井さん)
■自衛隊アンケートでは被害の声が多数寄せられる
Change.orgの運営者によると、異例の速さで署名が集まっているという。
「開始10時間で16000件を超え、1週間で6万件を突破する勢い。個人に関する署名でここまで集まるのは、これまでになかったと思います」(Change.org運営者)
署名と同時に、自衛隊に所属した経験がある人を対象とした「自衛隊内におけるハラスメントの経験に関するアンケート」も実施している。開始から5日間で寄せられた回答の内容を中間報告として会見で発表した。
回答98件のうち、自衛隊内で起きたハラスメントは78件だった。回答者の主な年齢は、20代が最も多い33人で、30代は22人、40代は15人だった。性別は女性が47人、男性29人、無回答が2人だった。陸上自衛隊が57人と多く、海上自衛隊は6人、航空自衛隊は11人、陸上・海上の両方が1人、明らかにできないが3人いた。
ハラスメントの種類としては、パワハラ67件、セクハラ55件、モラハラ29件、マタハラ12件、その他11件。複数のハラスメントを受けた人は46人いた。