「立浪監督は二軍コーチ陣、スコアラーと積極的に意見交換をする姿が見られます。選手たちにも頻繁に声をかけ、技術指導も行う。現有戦力の中でなんとかしようと必死です。開幕前から得点力アップは若手の活躍次第という部分があった。最下位低迷の責任全てを立浪監督に押し付けるのも違う」(中日関係者)

 チームの低迷に関しては、編成的なものも絡むため情状酌量の余地もある。だが、京田陽太を試合中に名古屋に強制送還したことや、中村紀洋打撃コーチのファームへの配置転換、未来の主力野手として期待された根尾昂を投手に転向させるなど、ファンが不可解に思うような判断も多いと指摘されている。 

「(立浪監督は)自分自身の確固たる野球観がある人です。高校時代からキャプテンを務め、猛者たちをまとめて日本一になった。プロでも新人から試合に出続け、百戦錬磨の世界で結果を残し続けた。(監督になってからは)譲れない部分に関して自ら修正に動くが、周囲に任せている部分も多い。バランス感覚に長けているので問題はない」(中日関係者)

 現役時代は野球エリートと言われる道を突き進み結果を残してきた立浪監督。名門のPL学園では高校3年時に甲子園春夏連覇したチームの中で主将として活躍。中日入団後も1年目から遊撃手の定位置を掴み、通算2480安打(NPB歴代8位)、467二塁打(同1位)と球史に残る内野手としてその名を刻んだ。

 輝かしいキャリアの中で得た経験が監督としてのベースになっている。指揮官1年目の今年は結果がついては来ていないが、“勝ちを知る男”は苦しむ中でも何かを掴んでいるはずだ。監督としても経験を積むことで結果は必ずついてくるいう意見も多い。

「今は我慢の時。監督就任まで時間がかかったことで期待値が高かったため、反動は想像以上に大きい。しかし指揮官としては一歩目を踏み出したばかり。現場はもちろんフロントとの交渉など、監督としてすべきことは多い。そういうものを1つずつ身につけて名監督になり、中日黄金時代を復活させて欲しい。ファンの人も長い目で見守るべき」(中日担当記者)

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