当時、不振の原因として指摘されていたのは、「打球速度と打球角度の低下」と「引っ張る確率の低下」であった。地元紙『ピッツバーグ・ポスト・ガゼット』は、4月19日の記事で次のように述べている。「(筒香は)昨季から平均打球速度が時速4.9マイル(約7.8キロ)遅くなり、打球角度は1.9度も低下している。ボールを引っ張る確率は昨季の35.6%から今季は14.3%にまで減少している」。さらに、「打球方向が変わったのも、スイングの遅れに原因がある」とも指摘された。

 しかし、急激な打撃低下は、ケガの影響が原因でもあった。筒香は5月27日、「腰部の筋肉損傷」で負傷者リスト(IL)に入っている。本人によれば、腰の痛みは開幕3試合目からあり、ILに入るまで治療薬を飲みながらプレーしていたとも話している。戦列復帰まで42日も要するほど重傷だったこともあり、序盤の低迷理由を知った現地メディアの中には同情を寄せるものもいた。

 しかし、いくらケガの影響があったとしても、復帰後の1カ月で何も改善しなかった筒香を誰も擁護できなくなった。7月の月間成績は、15試合で9安打4打点、0本塁打に19三振。打率/出塁率/長打率は、それぞれ.158/.172/.175。全ての数字で最悪の選手となり、現地での信用は完全に地に落ちた。

 そんな筒香だが、DFA後は後どうなるのか。シーズンは終了まで2カ月近くあるが、残念ながらMLBに残るのは難しいだろう。DFAを受けた選手は次の4つの選択肢が与えられる。1つ目はトレード、2つ目はウェーバー公示、3つ目は解雇、あるいは、マイナー降格。しかし、パイレーツは5日、筒香を自由契約にすると発表している。3日のDFA後、パイレーツは筒香をウェーバー公示にかけたが、獲得の意思を示したMLB球団はいなかったようだ。また、筒香はマイナー降格を受け入れなかったようで、退団の道を選んでいる。

 ただ、この結果はすでに予見されていた。米移籍情報サイト『MLBトレード・ルーマーズ』の3日掲載の記事には、次のよう書かれている。

「トレード期間が終わった今、パイレーツに残る唯一の選択肢は、アウトライト・ウェーバー(40人枠から外すが、当該選手を支配下としてマイナーに残すこと)か、ウェーバー公示だ。今季年俸400万ドルのうちまだ140万ドル(約1億9000万円)の負担が残っていることを考えると、どちらにしてもウェーバーで引き取り手がいないことは確実だ」

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