田中も日本ハムではわずか4年の在籍で2019年オフに戦力外となったが、巨人では二軍で結果を残して育成契約から這い上がり、昨年まで2年連続で30試合以上に登板している。昨年オフに右肘を手術した影響で今年は再び育成契約となっているが、過去2年間の実績を考えれば来年以降再び支配下への復帰の可能性も十分にあるだろう。
こうして見てみると投手ではリリーフ、野手では守備力の高い選手が戦力となっているケースが目立つ。また野村克也監督時代から“再生工場”と言われていたヤクルトは現在も上手く戦力外となった選手を引き上げていることがよく分かるだろう。今年オフには現役ドラフトも実施予定だが、どんな形であれ移籍した球団で復活、覚醒する選手が今後も多く出てくることを期待したい。(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。