獣医さんに来てもらい、すぐに予防注射を打ってもらったのですが、獣医さんにも甘えていました。キキと同じ猫なの?とびっくりしたものです。
キキの名は「魔女の宅急便」の主人公の女の子からもらい、トトは、「Africa」という素敵な曲を歌うロックグループTOTOからもらいました。アフリカに憧れていた頃によく聞いていたんです。キキとトト、あわせて“キキトト”。響きも好きでした。
こうして猫2匹との暮らしが始まりましたが、最初の2週間はキキと離し、トトにはキッチンで過ごしてもらうことにしました。本当に甘えん坊でぎゃーぎゃー私を呼び、足にしがみついてくるので、私はキッチンにヨガマットを敷いて、そこで仕事をしたり、トトと寝たりしました(笑)。
やがて2匹を一緒にしましたが、トトは遊んで欲しくてキキにちょっかいを出し、キキはそんなトトに対して威嚇して仲良くなる気配がありません。ネットで検索すると、「相性が悪い猫同士が暮らすのは不幸だ」なんて記事もあり、やってしまったか!と落ち込むことも……。でもトトがのびのびしてこちらに甘える様子を目にして、キキも徐々にのんびりした様子を見せるようになりました。
このままどんどんキキが慣れるといいな……と思っていたのですが、じつはトトを迎えた1カ月後、仕事の関係で引っ越しが決まりました。
■悩んだ末の2匹の輸送
次の行き先はモザンビークです。
アフリカの最西端のセネガルと南東にあるモザンビークは、時差が2時間。飛行機でもかなりの時間がかかります。
私はもちろんキキトトとずっと生活を共にするつもりでいたので、よりよい移動方法を考えました。
仕事の手続きで日本に戻る必要があったのですが、その時にキキとトトも連れ帰り、そこからモザンビークに一緒に行くのがいいのか。それともセネガルから直接、2匹をモザンビークに送るのがいいのか。
調べると、トトが日本の受け入れ条件(狂犬病予防接種後6カ月)を満たせなかったし、輸送が一度で済む方が猫に負担がかからないと思い、モザンビークに送ることにしました。モザンビークで動物保護団体紹介のペットシッターさんが見つかったので、その家で預かってもらうことにしたのです。